不動産管理会社様に呼び出され都内のアパートへ。

鍵を開ける前に「ほんとに出来る?」

「見てからできないって言わない?」

「覚悟は出来ています?」

何度も確認されつつ部屋を見ると、病気で苦しかったのか血の付いた手で室内を暴れたのでしょうか、玄関のドアから至る所に赤い手の跡が。

私は、表情を変えることはありません。

「大丈夫です。任せてください。」

苦しんだのだな。かわいそうに。身寄りもなく新聞配達をしていた若者は糖尿病に苦しみ若くして自室で亡くなったとの事です。
部屋に入る前に線香をあげ死者を悼み入室の許可を得ます。
お見積りを行った後、翌日部屋全体を消毒し、
壁紙、畳、フローリングを張り替え、消臭し、洗浄しました。
リフォームの終わった部屋はきれいに何事もなかったようになりました。
「きれいになったけど、誰か住んでくれるかなぁ。」不動産業者様は申しておりました。